増毛聖地、留萌本線増毛（ましけ）駅へ行けるのはあと１ヶ月を切りました。

JR北海道留萌本線の留萌－増毛間が2016年12月4日で廃止されます。すでに現地では廃線前に訪れようとする方が多くなっていました。全線開業から95年目の出来事です。

JR留萌本線の留萌－増毛の廃止は仕方ないかな・・・

廃止が検討されていたとき、JR北海道のなかで留萌線の営業件数はワースト１の区間に輝いてしまいました。2015年度だと、どの位なのかといいますと、

2538円

この数字を見て？が100個思い浮かべてぽかーんとする方がほとんどかと思われますが、100円稼ぐのに「2538円」かかっているということなんです。

更にその前の年は100円稼ぐのに「4554円」かかっているのです。この数字は、国鉄時代の日本一の赤字ローカル線・美幸線よりも悪い数字なのです。そりゃ～これを見てしまったら、廃止したくなるのも理解できなくはありません。

ところがJR北海道は、ここ以外にも多数の大赤字路線を抱えているのです。端的に考える方は赤字路線なんか、全部切捨てればと思うでしょう。しかし去年2015年度に関しては、全ての路線で赤字なんですよ、つまり真っ赤っか。

なんとかがんばって改善して黒字が見込まれそうなのは、小樽ー札幌－旭川・札幌－新千歳・札幌－北海道医療大学の札幌近郊区間と南千歳－帯広・室蘭と函館方面だけじゃないでしょうか。しかも近郊区間以外を廃止したとなると、極端な話、東京から福島や仙台位まで歩いて行けってことになります。恐ロシア。

JR北海道は公共機関であるが故、地域に対して影響が大きく関わることもあり、赤字だからスグに撤退ということは難しいのです。

廃線になって生き残る町もありますが、たいていは更に過疎化が進んでしまってます。だって大きな町や産業がない限り、地図から地名が抹殺されて気軽に思い立って行けないんですもの。その辺はあまり地方自治体には危機感ない感じです。更にバス転換後、そのバスが残るとも限りません。旭川からキタの方は、けっこうピンチっぽい。

留萌線に限って言えば、地方ローカル線の主力客層である、増毛高校廃校から歯車が絡まったようです。それまでは、留萌・増毛に高校があって人の往来があり、ローカル線の末端にしては人の動きはあったようです。廃校なら留萌に行くことになるのですが、学校の始業時間に間に合わない列車設定がされているという、JR北海道の珍プレーが行われたため、列車での利用はほとんどいないという。更に沿線にあった阿分小学校も2015年度に閉校。数少ないお客さんを放置しまくったために、どんどん使えない路線となってしまったのです。つまり地域とJRが共に自爆気味というのが私の感想です。

話はかなり脱線してしまいましたが、留萌線のことに戻ります。本来は2018年12月4日の廃止予定が、1年繰り上がって廃止されることになったのです。さて1ヶ月を切る頃に現地へ向かいましたが、既にそれなりに賑わっていました。

増毛駅の様子

駅前に○デランスの本社がある訳でもなく、○ーブ21のお店がたくさんあるわけでもありません。終着の増毛は漁港だったりもします。

増毛駅ではバスや車で先回りした人々が、駅の待合室を占拠しておりました。増毛駅自体は無人駅なのですが、自販機や売店がありますので、

飲食には問題ないと思います。売店ではお土産を販売していますが、「たこめし」というお弁当を販売しています。500円と安くて美味いので、味噌汁と共にご賞味してみて下さい。増毛駅の駅周辺にはコンビニというものはありません。

増毛駅の構内を見ると、ロープが張られています。車での往来客（？）のために、わざわざ駐車場の区画も用意されています。線路側のロープをくぐると、脇のプレハブ小屋から注意を受けるので、線路には下りないように注意して下さい。拡声器で怒られますよー。

増毛～留萌への行き方

札幌から旭川方面の特急に乗って深川駅に下車します。新千歳空港からの場合は、一部の列車が札幌からの特急になることがあります。旭川からの場合も特急だと一区間です。

なお、札幌から国道231号を北上するか、高速で深川経由で行くことは、例年であれば可能でした。
が！今年は北海道の初雪が1か月早まっているようで、廃線日間近では道路の凍結が考えられますので、お勧めできません。道外で晴れていても3時間はかかると思って下さい。

※臨時・・・11/20までの土曜休日と11/23～12/04。旭川08:49発→深川09:14着。
11/20まで→2両編成
11/23から→3両編成

※臨時・・・11/20までの土曜休日と11/23～12/04。深川15:21発→旭川15:46着。
11/20まで→2両編成
11/23から→3両編成

留萌－増毛廃止前の商戦状況

廃線前に合わせて、留萌本線内が乗降り自由となる1日フリー切符が発売されました。

・留萌本線フリーパス
大人：2600円
小人：1300円

購入場所は、深川駅・旭川駅・留萌駅・ツインクルプラザ旭川支店。購入すると全駅名が印刷されたネックストラップがプレゼントされ、留萌・増毛駅周辺の対象店でフリーパスを提示すると、割引などのサービスがある特権も用意されている。いつもこれくらいやれればいいのに。

なお廃線グッズとして、留萌駅で留萌～増毛間の硬入場券セットと留萌～増毛と深川～増毛の常備券も販売。常備券2区間をセットで購入すると、特製台紙が付きます。

さらに、廃線になる留萌～増毛をモチーフにしたというアイスも発売されています。北海道産のフルーツを用いているそうで、瀬越駅～信砂駅までがストロベリーのアイスクリーム、舎熊駅～増毛駅までが洋なしのシャーベットだそうです。

１つ550円、8個セットは4400円。12月5日までの販売です。

留萌へはバスでも行けなくはありません

札幌からの場合は、特急バス「はぼろ号」が2時間15分ぐらいで結んでいます。札幌駅南口の駅前のバスターミナルから出発しています。なおのり場は元町からとなります。増毛を通る留萌別苅線に乗り換えることもできます。元町は留萌市立病院と留萌駅の間にあり、留萌駅から6分程がかかります。

札幌→留萌（元町）

札幌発	元町
08:00	10:15
10:00	12:14
13:00	15:14
15:00	17:14

留萌→札幌

留萌（元町）発	札幌着
08:30	10:45
10:50	13:05
13:30	15:45
16:00	18:15
18:00	20:15

増毛－留萌間の移動

午前中は7時台の列車が出て行った後は12時台まで、実に5時間も列車が来ません。土日と11/23からは留萌－増毛に2往復走るようになりましたけど

臨時がない日は間隔が空いてしまいますが、バスが留萌から増毛まで出ています。バスを使って行きに来る列車の写真を撮ったりして、帰りに列車に乗るというプランも立てることができます。
一応バスの時刻表を載せておきます。バス系統は留萌別苅線です。 留萌駅での乗り場は2番のり場です。

大別苅行き・留萌駅前→増毛駅前　420円

JR接続深川発	留萌発	増毛着
	08:00	08:30
08:05	09:50	10:20
	10:45	11:19
11:08	12:35	13:09
	13:55	14:25
13:23	15:55	16:29
	17:00	17:34
16:09	18:00	18:34
17:10	19:30	20:00

留萌市立病院行き・増毛駅前→留萌駅前　420円

増毛発	留萌着	JR接続留萌発
07:23	07:55	08:11
08:15	08:50
08:45	09:20	09:31
09:55	10:30
11:03	11:35	12:15
12:43	13:15	13:30
14:53	15:25	16:18
16:53	17:25	18:19
18:53	19:25	20:20

沿岸バス留萌営業所　0164-42-1701

北海道への道のり

道外の場合は、飛行機などで千歳か旭川の空港から行くことができます。まだ訪問がまだ先の場合は、HISなどの宿泊プランを利用すると安く行けます。平日出発の安いプランであれば、LCC利用で2万円以内で来ることが可能になります。

旭川からはJAL・ANAが出ています。もちろん、新千歳を含めてJAL・ANAを利用することができます。旭川泊であれば、札幌での誘惑には晒されなくて良いかもしれません。

JAL・ANA利用やネット申込は8日前まで。スカイマークや一部のLCCは電話等であれば7日前まで。LCCであるJetStarであれば、プランによっては1日前まで申込可能のようです。

詳しくはHISへ

あともう少しで廃線となってしまいます。廃線区間は海沿いに走るので、車窓はいいですよ。

廃線とは関係ありませんが、留萌駅の駅そばの営業時間は、09:00～16:20頃までです。お立ち寄りを予定している場合は、お間違いなく。